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【健康入浴とは】(ヒートショック特別編2)お風呂のヒートショックと冷え症に注意

11月18日のTBS系列20時放送開始の「ジョブチェーン」にお風呂研究の第一人者・早坂信哉教授(東京都市大学)が登場。お風呂を活用した健康法として、冬場に一層の注意が必要な「ヒートショック」や「冷え性」防止法について語りました。ご覧にならなかった方のために重要なポイントを紹介します。

 

お風呂好きな方は、お風呂の見えないところまで洗浄することとともに、お風呂を安全に活用するためのマナーを体得してください。

 

ヒートショックを防ぐ方法

 

「ヒートショック」とは、温度の急激な変化で血圧が大きく上下に変動することが原因となって起こる健康被害のことです。失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞を引き起こします。

 

入浴時に、温かい部屋から寒い脱衣所や浴室に移動して衣服を脱いだ際、体が感じる温度の急激な低下によって血圧が一気に低下して失神するおそれがあります。そうなったとき運悪く溺れて死亡する事故が実際に数多く発生しています。

 

東京都健康長寿研究センター調査によると、2011年には約1万7千人もの人々が入浴時にヒートショックに関連して急死をしたとみられています。特に外気温が低くなる12月から1月にかけて、入浴中に心肺機能停止となる人が、もっとも少ない8月のおよそ11倍に急増しています。 

 

ヒートショックを起こさないためには、脱衣所・浴室を入浴する前に暖かくしておく。これにつきます。またお湯につかる際は足元からかけ湯を行います。さらに湯船から立ち上がる際はゆっくり立ち上がります。 

 

冷え性を改善する入浴方法

 

38℃、40℃、42℃の3通りの湯温でそれぞれ10分間お湯につかったとき、体の温もりが最も長時間持続するのはどの湯温のときか、という実験を行いました。結果は40℃のときでした。お湯の温度が高ければよいわけではなく、高すぎると発汗がうながされることもあって、適温があるそうです

 

なおお湯につかる時間も10分くらいが丁度よくて、5分未満だとだと短すぎ、10分を大きく超えると熱中症の危険があるそうです。 

 

また一番風呂は要注意という話題が提供されました。一番風呂には水道水に含まれていた塩素がまだ残っているので、その塩素による刺激が皮膚に悪影響を及ぼすことがあるからです。二番風呂なら、時間の経過とともに揮発が進んでいることと、最初に入った人の皮脂と化学反応を起こすことで、塩素の悪い作用が弱まっているというわけです。

 

もし一番風呂になったときには、塩素の作用に限って言えばビタミンCによって除去することができますので、ユズやレモンの汁を少々入れたり、ビタミンC入りの入浴剤を使ったりすることによって対策できるそうです。

 

なお、さらに詳しい情報が、書籍『入浴検定公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(早坂信哉・古谷暢基著、日本入浴協会、2017年6月30日初版)から入手できます。