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【美容入浴とは】(3)皮膚がうるおいを保つ仕組みとは

お風呂い持つスキンケア作用を活用するために、まず皮膚について理解をしておきましょう。

 

皮膚は身体の中で最大の臓器であると言われます。他の臓器を外界から守っている臓器です。身体の表面を薄く覆っているとはいえ、多くの層が積み重なって皮膚を形成しています。

 

皮膚は内側から順に「皮下組織」(4ミリ)「真皮(しんぴ)」(2ミリ)「表皮」(0.2ミリ)の3重構造になっています(カッコ内は平均的な厚さ)。最も薄い表皮は4層からなっており、最も外側に「角質層」があります。角質層の上を「皮脂」と呼ばれる薄い脂の膜が覆っています。

 

角質層は「角質細胞」がレンガ建築のレンガのように何層にも積み重なっています。角質層の表面(皮膚の表面)には、丘状に盛り上がったところと、溝上にくぼんだところとで凹凸を形成しています。凹凸が均一にキメ細かくなっていないと、キメが粗い肌になります。

 

そして積み重なった角質細胞同士の隙間には「角質細胞間脂質(セラミド)」というオイルが詰まっています。このオイル(セラミド)に包まれて大量の水がキープされていて、お肌のうるおいの元となっています。セラミドこそ角質層に水分をキープしている天然保湿オイルです。

 

お風呂に入ってお湯につかれば皮脂やセラミドがある程度お湯の中に流出します。するとセラミドがキープしていた水分を一緒に失うことになります。

 

お湯につかっていれば、セラミドの流出の影響を補う以上に角質層が水分を吸って、確かに入浴直後は入浴前より肌の水分量が多い状態になります。しかし、角質層が吸った水分は、お湯から出た途端にどんどん出て行ってしまいます。そのとき、流出したセラミドがキープしていた分量だけ入浴前より少ない水分量まで落ちてしまいます。ですから、10分を超える長風呂や1日数回の入浴はお肌の保湿の観点からは逆効果なのです。