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【健康入浴とは】(レジオネラ症特別編1)お風呂ならATP検査でレジオネラ属菌を監視できますが、加湿器ではどうすれば

大分県国東市の高齢者施設で加湿器が原因で、昨年12月~今年1月に80~90代の男性3人がレジオネラ属菌に感染し、うち1人がレジオネラ症のためお亡くなりになりました。追い焚き配管内を雑菌の巣にしないだけではすまないですね。どうすればよいのでしょう。

 

実は、「風呂釜洗浄PRO」で用意している「ATP測定器」の安全値は、どこにでもいる雑菌中最も危険なレジオネラ属菌の検出率を基にして定めています。追い焚きをオンにして配管内に溜まっていた水をはき出してATP測定したとき、25RLU未満なら、その水からレジオネラ属菌を検出する率は0.3%と推定できるのです。

 

レジオネラ属菌は、菌が繁殖している水が細かい霧状になり、それを人が吸い込んで肺に入ったとき感染するケースがほとんどです。まさにお風呂のジャグジーやシャワーなど霧状の水を発生させるような場所で起こっています。そして加湿器とはそもそも霧を発生させるものです。加湿器内のタンクでレジオネラ属菌が繁殖すればたいへん危険な状況となります。

 

加湿器には霧の作り方によって危険度に差があります。レジオネラ属菌は60℃以上で死滅しますので、タンクの水を加熱して蒸発させる加熱式が最も安全です。

 

一方、振動を与えて水分を空気中に飛ばす超音波式と、濡れた布などに風を当てて空気中に水分を飛ばす気化式では、レジオネラ属菌を熱によって殺菌できません。ちなみに大分県の施設では、超音波式の加湿器を使っていました。そこで、これらの方式の加湿器では、タンク内の菌の繁殖を徹底的に防ぐしかありません。

 

レジオネラ属菌類を繁殖させないために、加湿器には洗浄と殺菌を行ってください(加熱式だからしなくてよいと油断するなかれ)。水を毎日交換することはもちろん、週に1度、中性洗剤でタンクや噴き出し口を洗浄した後、続けて殺菌を行います。市販されているミルトンなどの塩素系の消毒剤を溶かした水に約1時間つけてください。洗浄と殺菌を定期的に行うことが、菌の繁殖を抑止してくれます。