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【プロの風呂釜洗浄入門】(5)洗浄・除菌結果を簡単にチェックできるATP測定器の役割

「プロの風呂釜洗浄」では、配管の洗浄の実態が除菌であることを説明しました。「プロの風呂釜洗浄」開発のプロセスでは、試行錯誤を繰り返しながら、その都度除菌結果をチェックする必要がありました。強力なチェックツールがあったのです。

 

洗浄前後の除菌効果を調べるためには、前後の雑菌の量を比較して、どのくらい減ったか検査する必要があります。従来だと測定箇所から採取したお湯に含まれる雑菌を一定期間培養していました。比較できる段階まで増殖してもらったうえで、もともとの量の多寡を比較していました。

 

これでは、試行錯誤を繰り返す必要がある洗浄方法の開発を行うことが困難でした。それを解決したのが、充電式のATP測定器です(2000年以降、各メーカーから発売)。

 

ATP測定法は、主に食品衛生分野で、手や器具等を洗った後に汚れが残っていないかどうかの確認などに広く用いられています。しかし、「雑菌」とひとくくりにしているように、菌名まで特定することはできません。その理由は測定原理にあります。測定器の名称に含まれている「ATP」とは生命活動のエネルギー物質であることをご存知ですか。

 

ATPとはアデノシン三リン酸の頭文字で、動植物の細胞に普通に存在し、細胞内でさまざまな生体反応が起こるときのエネルギー源となっている物質です。雑菌を含むすべての生物の細胞には一定量のATPという物質が常時存在しています。細胞のエネルギー源としてATPを使っていることに関しては、実は雑菌も人間も同じなのです。

 

ATP測定器で測っているのは。生物の細胞に必ず含まれているATPという化学物質の量です。ですから、これによって、そこに含まれていた雑菌の総量を精度よく比較することができますが、菌が何であるのかはわからないのです。しかし、雑菌の全体量を比較できれば、レジオネラ菌類等危険な菌の含有可能性を推測することができるので、十分役に立っています。

 

ATP測定器は、銭湯や温泉の雑菌チェックのために広く使われています。ATP測定器を導入したことにより、「プロの風呂釜洗浄」では、雑菌由来の汚れの量を現場で迅速にすることが可能となりました。「プロの風呂釜洗浄」では、このATP測定器による洗浄前後のチェックを洗浄手順に組み込んでおります(ATP測定器のよる検査は有料オプションとして選択できます)

 

なお、ATPについて最新の研究成果をわかりやすく説明した新刊が出ています。。

 二井將光著『生命を支えるATPエネルギー』講談社ブルーバックス 2017年9月20日