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【ジェットバス洗浄入門】(1)プロの風呂釜洗浄でジェットバスを洗う

ジェットバスとは、強力な水中ポンプを使って、吸い込んだ浴槽のお湯を、浴槽中に細い水流として空気と混ぜて噴出する装置。現在、一般家庭では推定100万戸の浴槽で使われています。

 

事故を教訓に

 

ジェットバス(気泡噴射式浴槽)といえは、2000年に、6歳の女児が、ジェットバスの吸い込み口に髪の毛をからませた 状態で溺死するという痛ましい事故が起きてしまいました。当時のジェットバスでは通常吸い込み口が1か所だけであったため、近くに髪の毛が来れば吸い込み始めて、状況によってはかなり大きな力で引っ張ったのです。

 

再発を防止するため2003年には、ジェットバスから24時間風呂までを含む「浴槽用温水循環器」とくくられて「消費生活用製品安全法」に定められた「特別特定製品」に指定されました。その後は、検査に合格した製品だけPSCマークをつけて販売を許されています。これから購入する場合、PSCマークが付いてことを念のためご確認ください。

 

なお1か所だけの吸い込み口はその後改良されて、追い焚き配管の1つ穴のように、噴出口の周囲に吸い込み口を設けてあるタイプが主流になったようです。こうすれば、お湯を吸い込む力を分散させることができます。

 

プロの風呂釜洗浄による洗浄方法 

 

さて、ジェットバスでは、浴槽のお湯を吸引して放出するわけですから、当然ポンプのパイプの内部が汚れます。これは、追い焚き配管の内部が汚れることと同じ理屈です。それゆえ、プロの風呂釜洗浄の各種ツールや洗浄剤を適用できますが、大きく異なるのは、汚れの取れにくさです。ジェットバスを動かしながら洗浄すると猛烈な量の気泡が発生します(写真参照)。

 

追い焚き配管の内部がお風呂を使っていないときでも湿っていることが多いことに対して、ジェットバスのパイプ内側が、ジェットバスを使わない時間帯の間に乾いてしまうことがあります。乾いてしまったなら、パイプ内側に壁材を塗って固めたようなものですから、なかなか骨が折れる汚れの付き方になります。

 

なお、汚れの成分は追い焚き配管の場合と同じ湯垢になります。それらが乾いて固まったもの、これがジェットバスの汚れの正体といえます。

 

乾いて強力になるジェットバスの汚れをある水準以上に取るためには、追い焚き配管洗浄にかかる時間以上をかけて洗浄するしかありません。汚れがたまっている場合は、追い焚き配管の1.5~2倍近い時間をかけます。

 

パイプ内の壁面に付いた汚れを根気よく洗浄剤で攻撃していると、汚れがボロボロとはがれやすい状態になってきて洗浄開始時よりたくさん汚れが出てきます。この段階になると、ジェットバスから新たに出てくる汚れを把握することで、パイプ内側の汚れの剥がれ具合を推定しなければなりません。このあたりがジェットバス洗浄ならでは必要になるプロセスです。