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【健康入浴】(レジオネラ症4)そもそもレジオネラ症とはどんな病気ですか?

家庭の浴室でも繁殖する可能性がある常在菌の中で、最も危険なレジオネラ属菌が引き起こすレジオネラ症という感染症は死に至る可能性のある肺炎です。

 

原因は、レジオネラ属菌(属菌という呼び方をしているのはいくつか種類があるから)を含むエアロゾル(噴霧、気体中に浮遊する微小な液体粒子)を肺に吸い込むこと。エアロゾルを吸い込む機会として入浴との接点が避けられませんので、レジオネラ属菌を繁殖させない環境を維持する必要があるわけです。幸いレジオネラ症の人から人への感染はないとされています。

 

レジオネラ症には肺炎をおこす場合と、肺炎をおこさず一過性の発熱(ポンティアック熱)ですむ場合があります。レジオネラ属菌による肺炎は、乳幼児、高齢者など抵抗力の弱い人、喫煙者、飲酒の量の多い人に罹患しやすく、病気の進行が早いです。急激に重症になって回復せずに死亡することがあることから、最も危険な雑菌と言われています。

 

レジオネラ肺炎は全身の倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛等から始まり、高熱悪寒、胸痛がみられるようになります。傾眠、昏睡、幻覚等の中枢神経系の症状が早期に出現することが特徴です。

 

また、レジオネラ症とは在郷軍人症を意味する名称です。これはもともと、1976年に米国で開かれたある在郷軍人会(legion)で集団肺炎感染が起こったことから注目されて、このように名付けられました。

 

レジオネラ属菌は河川や湿った土壌など自然環境中に生息する細菌ですが、循環式浴槽水、冷却塔水、給湯器の水などでよく増殖します。人工的に発生させたエアロゾルに触れる機会が増えた生活様式が、感染する機会を増やしているといえます。

 

特に、入浴施設の浴槽や配管の内壁などには「ぬめり(バイオフィルム)」ができやすく、配管の内部で増殖した雑菌は通常使用する塩素剤等の殺菌剤では除去することができないため、配管内が雑菌の巣(温床)となってしまいます。

 

また、温泉や大衆入浴施設など人工的な温水中にはアメーバなどの原生動物が多数生息していますす。レジオネラ属菌にはアメーバの細胞の中で大量に増殖する性質があるため、それが大衆浴場などで集団感染が多発する一因となっています。