
高温多湿な環境にいると、過度に体温が上昇したり、脱水症状になったりします。すると、体にこもった熱をうまく逃がせず、熱中症が発生します。夏に熱中症が増える訳です。
ただし、高温多湿な環境にいても、熱中症になる人とならない人がいるのは、年代や体調、服装といったさまざまな条件に左右されることと、体が暑さに慣れる現象である「暑熱順化」が成立しているかが人によって異なることからです。身体が暑熱順化すると、暑さへの耐性が高まって、低い体温でも発汗できるようになり、熱中症になりにくくなると言われています。
この身体の暑熱順化は時間をかけて行われるので、梅雨が明けて気温が急に上がってくる7月に暑熱順化が間に合わず、熱中症発生数が8月と同程度に多くなっています。そこで、7月から熱中症対策の強化が必要です。何といってもこまめな水分補給と、暑い環境にさらされることが避けられないときはこまめに暑くない場所で休憩することです。
お風呂の習慣が熱中症予防に
また、毎日の入浴(全身浴)が「暑熱順化」の成立を促進することができます。また、入浴時には汗をかくことによって数百ミリリットルの水分が体から失われますので、入浴前に水分の補給を行う習慣をお持ちかと存じます。この水分補給をする習慣が、あらゆる局面で暑い夏の熱中症予防につながります。