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【高温水供給方式・給湯器入門】(2)高温水供給方式を追い焚き方式に取り替えることはたいへんです

引き続き、追い焚き配管を新たに設置する場合のお話です。「追い焚き」には「(強制循環型)追い焚き方式」と「高温水供給方式」と、二つの方式があって、後者から前者へ取り換えたいと思った場合、実現することがたいへんな場合があることを前回述べました。

 

どういうことかと言うと、両者に必要な、給湯器と浴槽とを結ぶ配管が異なっているからです。「追い焚き方式」であれば往復の2本のホースが必要なため、2本が平行につながっている「ペアホース」(ペアチューブとも)を使うことが多いです。一方「高温水供給方式」であればホースは1本でよいです。

 

このように方式を切り替える場合は、給湯器本体とともに、配管を取り替える必要があります。ところが、10数年前であれば、給湯器と浴室との間に一部屋以上あれば、壁のコンクリの中に塗り込んでしまう工法が普通だったので、配管の取り換えがたいへんな作業になります。

 

先に配管が通っていた穴を利用して、新しい配管を通すことができるようになったのは、10数年前から行われ始めた「さや管ヘッダー工法」が使われている場合だけです。これは、樹脂製のさや管の中に本来の配管を通すという二重配管工法のことです。

 

このようなことになっていますから、後者を前者に取り換える場合には、これまで使っていた配管をそのまま放棄して、新たな配管工事を行う必要がありました。そうなると壁に新たな穴をあけることになり、マンションの場合、共有部分の壁に穴をあけてはいけない決まりになっていることにひっかかってしまいます。

 

先のブログで、汚れにくい追い焚き配管の通し方が存在するという、経験則について記述しました。もし、現状が汚れやすい配管の通し方をされてしまっていても、簡単に手直しすることができない現状になっているわけです。