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【美容入浴とは】(8)一番風呂は肌によくない

お風呂博士(東京都市大学教授)、早坂信哉氏の新著が出ました。これを参考にして、これまで手薄だった【美容入浴】分野のブログを強化したいと思います。

 

一番風呂とは、家庭のお風呂の場合、水道水そのものを湧かした状態です。日本の水道水の特徴は、含まれるミネラル濃度の低さと、消毒用塩素濃度の濃さです。今回は前者について説明しましょう。

 

日本は雨が多くて国土がせまいので、水が地表にしみだすまでに地中を滞留する時間が短いので、ミネラルの少ない「軟水」が一般的です。これは人体のミネラル濃度に比べても低いです。すると、ジトが湯船に浸かったときは、肌をはさんで、濃度が異なる液体が接することになりますね。そうなると浸透圧が働いて、濃度の低い方から高い方へ水分が移動するのでした。長湯をすると指先がふやけるのはこのためでした。

 肌の敏感な人なら、この水分の皮膚への移動だけでも、その刺激によって皮膚の不調(違和感やピリピリ感)を感じることがあります。ですから、二番風呂以降に入ると、前に浸かった人の皮膚から流れ出た汚れ、皮脂、汗、角質等のために、湯船のお湯の濃度が少し上がっています。敏感な人ならこの少しの濃度増加が刺激を和らげてくれるそうです。

 では、肌が敏感な一人暮らしの人はどうすればよいのでしょうか。その場合は入浴剤を入れて、お湯の濃度をあげましょう。次回は入浴剤の選び方について書きます。

 

◎早坂信哉『最高の入浴法』(大和書房、2018年12月1日)

 

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