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【追い焚き配管洗浄入門】(3)バイオフィルムに寄生するレジオネラ属菌

 

 浴室や洗面所、台所などで、ヌルヌルした物体を見たことがありませんか。浴槽の沸かし口(循環口)から、黒っぽいヌルっとした汚れができ来たらそれもおそらく「バイオフィルム」の破片です。

 

 

 

レジオネラ属菌は日本のどこにでもいる常在菌で、日本各地で検出されます。公衆浴場や温泉施設、温水プール等で見つかるのは、もちろん定期的な検出作業とその報告が義務付けられているからです。命にかかわるレジオネラ症にかかる原因が、水蒸気に含まれて空気中を漂っている菌を肺に吸い込むことですので、そういう環境を作り出す施設では監視が義務付けられているわけです。

 

また、そういう施設では、湯温を維持するために、お湯を循環させる追い焚きを行なっていることが多いので、追い焚き配管の中にレジオネラ菌が住み着いてしまうとまずい状況になります。レジオネラ属菌が追い焚き配管内に住み着くためには「バイオフィルム」が寄与しています。

 

追い焚き配管内をお湯が高速で流れるので、配管内部に汚れが残ることはないだろうとの予想ははずれたのでした。ポンプを滑らかに稼働させるため、い焚き停止中でも追い焚き配管内にはある程度の水分が残っている状態にしてあるので、雑菌が繁殖し「バイオフィルム」をつくってしまう時間は充分にあります。

 

追い焚きが止まっている間に、追い焚き配管内で雑菌は汚れを栄養源にしながらそこで繁殖します。雑菌が細胞分裂を繰り返して増殖するとマイクロコロニーになり、やがてはそれを包み込むように、バイオフィルムと呼ばれる膜を作ります(図を参照)。この膜によって、雑菌の集合体(マイクロコロニー)を守ります。膜ができると、追い焚きして流速が早くなっても、膜に守られて壁からはがれず耐えてしまうのです。

 

そして、最もまずい事態がそのバイオフィルムにレジオネラ属菌が住み着いてしまうことです。レジオネラ属菌はバイオフィルムに寄生する能力を持っているのです。そうなってしまうとバイオフィルムをはがしてしまう必要に迫られます。

 

ところが、バイオフィルムができてしまうと、それ相応の洗浄方法でないと除去できなくなります。市販の洗浄剤を流し込んだだけではなかなかはがれてくれません。その結果、お風呂やエコキュートで雑菌と同居することになってしまっていたのです。

 

このように、流れの早い配管の内壁に汚れが付着できるのは、バイオイルムを作ることができる生きた汚れ(雑菌)だからです。この面から見ると「プロの風呂釜洗浄の本質は、お風呂の雑菌を除去する「除菌サービス」なのです。

  

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