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【追い焚き配管洗浄入門】(5)肺MAC症にも備えておきたい

お風呂の追い焚き配管内の汚れを放置していると、そこに雑菌が繁殖して、自らを覆う保護膜(バイオフィルム)を作ります。そうなると配管内に速いお湯の流れがあっても取れないままになってしまのでした。一部がはがれて浴槽に出てきたバイオフィルムのかけらの見た目から「ヌメリ」と呼ばれています。

 

このヌメリの中にはいろいろな雑菌がすみついているので、それらが水蒸気に含まれて浴室内を漂うおそれがあります。健康によくない影響を及ぼす菌は限られているのですが、最も危険なレジオネラ属菌の存在のため、定期的なヌメリの除去(風呂釜洗浄PRO)を呼び掛けております。

 

一方で、浴室が主たる感染場所になっている感染症として「肺MAC症」(はいまっくしょう)が増えていますので、こちらも説明します。

 

MAC菌という、結核菌によく似た菌の感染によって起こる肺の病気が肺MAC症です。日本では際立って患者さんが増えています。肺MAC症が原因で亡くなる人は年間1000人以上と推測されます。

 

MACとは、Mycobacterium Avium-intraCellularの頭文字を取った略称です。結核菌によく似ているけれど結核菌ではない菌を総称して「非結核性抗酸菌」と呼びますが、大半がMAC菌が原因なのと、MAC菌の方が呼びやすいのでMAC菌または肺MAC症と呼んでしまうことが多いようです。

 

急増している原因として考えられるのが、浴室内での感染です。MAC菌は、浴槽の追い焚き口のフィルターのヌメリや、シャワーヘッドのヌメリ中にいます。そこから、しぶきや霧状の水滴が発生して空気中を漂い、その中にMAC菌が含まれていれば肺に吸い込むと感染する、と考えられています。発症に至るメカニズムはレジオネラ属菌の場合と同様です。

 

MAC菌は、結核菌と比べて病原性が弱いため、感染してもしばらくは症状のない状態が続きます。その後、肺の炎症が進むと、せきやたん、血の混じったたんなどの症状が現れます。ただし、結核と異なり、人から人へ感染することはありません。さらに進行すると、一時的な発熱や全身のだるさ、食欲低下による体重減少といった症状が起こるようになります。こうした症状が10年以上の長い時間をかけてゆっくりと進行することがあります。

 

肺MAC症(または非結核性抗酸菌症)への対策としても、風呂釜洗浄PROによる「追い焚き配管洗浄」の実施をお願いします。

  

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