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【身近な感染症対策】(2)レジぶくろ一斉有料化で街に急増するマイバッグの除菌対策(まめな洗濯)が必要に

2020年7月1日から、全国の小売店でレジぶくろの有料販売が義務付けられます。そうなると、大きさによって2円~5円程度のふくろ代が、買い物の合計に上乗せされます。それがいやなら、自分のふくろ(マイバッグ)を持参して、それに入れることを店員に伝えます。この実施時期は、新型コロナ感染症の流行が問題になる前から決められていたことです。ではマイバッグの除菌対策は大丈夫なのでしょうか。

 

お店のロゴがついた薄いプラスチック製のふくろに当たり前のように入れてくれるという風景が一斉に姿を消します。これはプラスチックの海洋汚染が深刻になっていることへの対策の一環として実施されます。東京五輪に間に合わして世界に日本の取り組みをアピールすることをねらっていました。

 

レジぶくろ一斉有料化をにらんで、福岡県のエフコープ生活協同組合が2019年にマイバッグの汚れについてアンケートなど調査を実施しました。こちらでは、もともと奨励していたのでマイバッグの持参率が高かったこと、検普段から同組合の取り扱い商品の微生物や遺伝子の検査を行う「エフコープ商品検査センターりんご館」という検査機関を自前でもっていたことから、調査が実現しました。こちらに結果の報告があります。

 

調査結果は以下の通りでした。「エコバッグを洗っていますか?」と尋ねたところ、「洗ったことがない」が51%。「2、3カ月に1回洗う」23%、「月1回洗う」18%、「週1回洗う」5%、「毎日洗う」3%。

 

来店客のエコバッグを拭き取りし、菌の数※を検査したところ、「菌の数0~10個=きれい」は40%、「50個=やや汚れている」50%、「50個以上=汚れている」10%。※さまざまな雑菌の合計数。

 

洗濯するとどのくらい除菌できるか、マイバッグを洗濯して、前後で菌の数を検査したところ(りんご館スタッフ4人のマイバッグを用いて洗濯前と洗濯後の汚れの変化を調査)、洗濯の効果は大きく菌はかなり減少しました。200個以上の菌が計測されたマイバッグでも1回の洗濯で菌はほとんどなくなりました。

 

このように、レジぶくろ一斉有料化直後は新しいマイバッグを購入しても、それを除菌=洗濯するという習慣のない方が多数を占める可能性があるのです。もし重大な感染症を引き起こす菌やウイルスがマイバッグに付着したとき、マイバッグの材質や湿り具合によってしばらく生存している可能性があります。そこで、マイバッグを複数用意して、順繰りに除菌(洗濯)することをお勧めします