「高温水供給方式」給湯器を「追い焚き方式」給湯器への取り換えは簡単ではありません。両者に必要な、給湯器と浴槽とを結ぶ配管が異なっているからです。
「追い焚き方式」であれば往復の2本のホースが必要なため、2本が平行につながっている「ペアホース」（ペアチューブとも）を使います。一方「高温水供給方式」であればホースは1本でよいです。
ここでお気付きでしょう。「高温水供給方式」の配管には湯船のお湯を吸い込む方が最初からありませんから配管内が汚れにくいといえます。追い焚き時の循環を利用して配管内を洗浄するプロの風呂釜洗浄は使えませんが、その必要が小さいので問題にならないでしょう。
ともあれ、「高温水供給方式」給湯器を「追い焚き方式」給湯器への取り換えは以下のように実施されます。
10数年前から行われ始めた「さや管ヘッダー工法」が使われている場合でしたら、先に配管が通っていた穴を利用して、新しい配管を通すことができます。これは、樹脂製のさや管の中に本来の配管を通すという二重配管工法です。
ところがそれ以前であれば、壁のコンクリの中に配管を塗り込んでしまう工法が普通だったので、配管を取り換えるために壁をこわす作業が必要になります。さもなくば、これまで使っていた配管をそのまま放棄して、新たな配管工事を行う必要があります。そうなると壁に新たな穴をあけることになり、マンションの場合、共有部分の壁に穴をあけてはいけない決まりになっていることにひっかかってしまいます。
以前、汚れにくい追い焚き配管の通し方が存在するという経験則を記述しました。もし、現状が汚れやすい配管の通し方をされてしまっていても、簡単に手直しすることができないことがあるわけです。
