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【プロの追い焚き配管洗浄入門】(22) 細くて長い追い焚き配管内部の隅々までどうして洗浄できるのか(新版)

現在はガス給湯器(1つ穴)タイプの追い焚き風呂(エコジョーズ含む)が主流

 

現在、屋外設置/壁掛け式のガス給湯器(エコジョーズ含む)が主流となっており、浴室だけでなく台所や洗面所でもお湯を使えます。しかし、目に見えないところで大変なことが起こっていたのです。

 

 壁掛け式のガス給湯器にも追い焚き機能が付いて、ポンプの力で浴槽から湯水を吸い上げ、給湯器内部で温めて浴槽に戻しています。このとき使用する配管が「追い焚き配管」です。それを絵に書いてみました。「水」が浴槽から吸い込まれて青色の管を通って給湯器(風呂釜)へ到達し、そこで温められて、赤色の管を通って浴槽へ戻ってきます。

 

「水」吸い込み用(図では青色の管)、「湯」吐き出し用(図では赤色の管)の二つの管の口が、浴槽において近い場所に設けてあるので、浴槽にあける穴が1つですみます(1つ穴と呼ばれます)。

 

これら青色の配管と、赤色の配管の平均的な長さが、年を追うごとに長くなっています。長くするためにむしろ太くしてはいません。細いまま長くなった分、お湯を循環させるポンプが強力になっています。現在、合成樹脂製が主流の追い焚き配管では内径13ミリほど、外径23ミリほどです。

 

ガス給湯器が浴槽の近くにあれば、この追い焚き配管が短くてすむのですが、実際は戸建ての2階以上に浴室を設けることが増えているため、両者の設置場所が離れていることが多くなっています。その結果、追い焚き配管が長くなっているわけです。実際10メートルを超えていることがよくあります。

 

しかも、給湯器と浴室の距離以上長くなります。直線的に追い焚き配管を結べないからです。壁に沿って設置しないといけないため、迂回し無ければならない分、折れ曲がり箇所が多くなります。

 

細くて長いということは、管の中を流れる水またはお湯の流速が早くなるので、当初、配管内部に汚れがつかないと言われていました。ところが折れ曲がると、そこの内側の流速が下がるためバイオフィルムが流されない箇所が増えます。

 

現実として「プロの風呂釜洗浄」によってあちらこちらで追い焚き配管の洗浄が行われた結果、のきなみその中に汚れが蓄積している実態が明らかになりました。 

 

このように、細くて、長くて、折れ曲がり箇所が多い追い焚き配管では、湯垢などが混じったお湯が繰り返し通過するうちに、内壁に汚れ(バイオフィルム)が付着していたというわけです。