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【プロのエコジョーズ洗浄・再入門】(3) 細くて長いエコジョーズの追い焚き配管内を洗浄する手法とは(その2)

浴室や洗面所、台所などで、ヌルヌルした物体を見たことがありませんか。浴槽の沸かし口(循環口)から、黒っぽいヌルっとした汚れができ来たらそれもおそらく「バイオフィルム」です。

 

細くて長い風呂の追い焚き配管内をお湯が高速で流れるので、配管内部に汚れが残ることはないだろうとの予想ははずれたのです。追い焚きをしている間に、いくらでも浴槽の汚れが配管内に吸い込まれて、追い焚きを止めたら配管の中に滞留します。

 

汚れに雑菌が混じっていると、雑菌は汚れを栄養源にしながらそこで繁殖します。雑菌が細胞分裂を繰り返して増殖してコロニーになると、コロニーはバイオフィルムと呼ばれる膜を作ることができます。この膜によって、雑菌のコロニーが守られます。追い焚きの流速が早くても、壁からはがれず耐えてしまうのです。

 

したがってバイオフィルムができてしまうと、それ相応の洗浄方法でないと除去できなくなります。市販の洗浄剤を流し込んだだけではなかなかはがれてくれません。その結果、お風呂やエコキュートで雑菌と同居することになってしまっていたのです。

 

このように、流れの早い配管の内壁に汚れが付着できるのは、バイオフィルムを作ることができる生きた汚れだからです。この面から見ると「プロの風呂釜洗浄の本質は、お風呂の雑菌を除去する「除菌サービス」なのです。

 

「プロの風呂釜洗浄」が、バイオフィルムを取ることができるのは「魔法のブラシ」が有効に働くからです。洗浄剤だけで解決できないことは、市販の洗浄剤の効果を見れば明らかです。

 

 

バイオフィルムをはがし取ることは、追い焚き配管内に魔法のブラシを入れることでもしない限り不可能だと思われていました。歯周病のたとえでおわかりのように、歯ブラシなどでゴシゴシと磨かないと間バイオフィルム(プラーク)は取れません。

 

プロの風呂釜洗浄が見つけた魔法のブラシが、微細な気泡=マイクロバブルです。マイクロバブルを発生させる装置や、組み合わせる洗浄剤の試行錯誤を重ねた結果、効果的な技法を開発しました。では、マイクロバブルがどのようにして汚れを取るのでしょうか。現時点で考えられているメカニズムは以下のようになります。

 

マイクロバブルとはその名の通りとても細かな気泡です。ポンプを使ってマイクロバブルを高密度に含んだ水を作って、浴槽の沸かし口から配管内に注ぎ続けます。この状態で追い焚きをオンにすると、沸かし口の片方の口からお湯が吸い込まれ、給湯器まで行って温められて、戻ってきてもう片方の口からはき出されます。

 

最初に液体洗浄剤を吸い込ませます。その成分がバイオフィルムに働きかけて、膜を維持する力を弱める働きをします。この結果、膜がちぎれやすくなります。

 

次に、発泡効果のある粉末洗浄剤と、マイクロバブルを吸い込ませます。配管内に吸い込まれたマイクロバブルが壁面にこびりついたバイオフィルムにぶつかります。このとき、静電気の力で、マイクロバブルがバイオフィルム表面にくっつきます。

 

帆かけ船を想像してください。風が吹く中で帆を立てると、より大きな風の力を受けます。同様に膜の表面にマイクロバブルがくっつくと、それが帆になってより大きな水流の力を受けます。 マイクロバブルが水流に押されて膜から離れる時、膜の一部をちぎって持っていきます。

 

 

無数のマイクロバブルが膜にくっついて、それらが大きな帆となって追い焚き配管内の水流を受け止めることによって、魔法のブラシとして働いてくれるのです。