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【プロのエコジョーズ洗浄・再入門】(8) 最も汚れているところを新品と交換できない勘違い

ガス給湯器やエコジョーズには機器としての寿命があります。およそ10年くらいと言われていますが、その間にはあちらこちらを修理しながら使っています。追い焚き配管の洗浄依頼を受ける際、これまでの経緯をうかがっていると、追い焚きやお湯張り時に黒っぽいつぶが出て来るようになったので、ガス給湯器を新品に交換したけれど改善されないので、改めて解決してくれそうな業者を探したというお話であることがあります。

 

この流れにおいては、お客様が大きな勘違いをしておられます。また最初に相談された業者が、いわゆるガス屋さん(ガス機器販売点)だったため、ガス給湯器の交換へ誘導されてしまったのかもしれません。ガス給湯器の交換に伴って、室外に設置されることが多いガス給湯器やエコジョーズの本体、またキッチンや浴室に設置されるリモコンが新しくなります。しかし、最も汚れていてお湯張り時にごみが出て来る問題を起こしている「追い焚き配管」は交換しない(交換できない)のです。

 

これまでのブログでたびたび、このへんの事情を述べてきましたので、その部分を複数ブログから取り出して再掲載します。

 

「実は、追い焚き配管の内部は長い年月の間に相当汚れていることが多いです。というのは、新しいガス給湯器が設置されていても、追い焚き配管は以前のものが引き継がれていて、洗浄しないまま長く使われていることが多いからです。今から10年余り前までは、金属製の追い焚き配管が使われていました。金属製の配管がコンクリートの壁に埋め込んであると簡単に交換できないのです。」

 

「黒いつぶがサビである場合、どこのサビかというと配管(金属製の場合)そのものから出たサビです。追い焚き風呂給湯器と浴槽との間でお湯を循環する配管です。設置時期としては2000年が境目になっていて、それ以降に設置された配管には樹脂製ホースが多いのですが、それ以前に設置された配管には銅製が多いのです。

 したがって、15年以上経過した銅製の配管がサビていることがよくあります。浴槽や給湯器を新しくしても、壁の中や床下をはわしている配管を交換することが大きな工事になるためそのまま再使用していることが多いのです。マンション等集合住宅ではいっそうその傾向があります。そうなると当初設置された銅製の配管が今でもそのまま使われています。」

 

「なお、ガス給湯器を新しく交換したからといって、追い焚き配管が樹脂製とは限りません。壁の中に入っている追い焚き配管は交換しにくいので、そのまま使ってしまうことがあるからです。サビが出るからガス給湯器を交換したはずが、追い焚き配管はそのまま残ったという大きな勘違いが起こらぬようくれぐれもご注意ください。」